体温

ゆうべ、腕を組んで歩いた



相手はおばあさん



凍った道が怖くって、するっと自然に、なんのためらいもなく

私の腕に、か細いその腕をからめてきた



他人と腕を組んで歩く

という行為は十何年ぶりかのことで

戸惑いよりもなんとなく照れくさかった





かつて恋人と腕を組んだときは、こちらから寄り添った

しかし、昨日は寄り添われた、受け身の腕組み





もしもわたしに子どもがいたならば

手をつないだり、だっこしたり、慕われたりしたのかもしれない

なので頼られるということに慣れていて

昨日のように腕を組まれたときも照れくさくなったり

気恥ずかしくなったりはしないだろう



たぶん、この先

男の人と腕を組んで歩くということは

決して私の身の上には起こらない出来事だろう

なので

なおさら

些細な行為が心に留まる



さらに

むかしむかしのことなどをもゆるりと回顧したりしてしまう



おとうさん

おかあさん

おねえちゃん

好きだった人

恋人だった人

定義なしの人





あなたは、自分が大切だと思う人と会っていますか

会話していますか

かつての恋人と今でも会っていますか

遠く離れた家族にときどきでも顔を見にいっていますか

遠く離れた友達と連絡を取り合っていますか

近くの友達と笑いあっていますか



真剣に考え込むヒマもないほど

シアワセに満ち溢れた日常を送っていますか

または

それがシアワセだと気づかずに日常を送っているかもしれないですね



自分以外の体温を

実に久しぶりに、服の上から感じた
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